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株式会社の解散と株式譲渡制限規定の変更登記

*下記は、2007年8月31日に投稿した記事です。

こんにちは。千葉県船橋市の司法書士の高橋京子です。
最近気になっていることがあります。
表題のとおり、株式会社が解散した際の
譲渡制限先の変更登記の要否です。
見解が落ち着いたのでしょうか?逆でしょうか?
会社の解散に直面した方でなければ、
ちょっとなじみが薄いお話かもしれませんので、
まずは、株式会社の解散について簡単に説明します。
会社は解散しても、即消滅するものではありません。
会社財産の清算業務をしなければなりませんので、
会社の債権・債務が0になる(清算結了)まで
会社は存続します。
ただし、会社は解散すると、
「取締役」という役員はなくなり「清算人」が登場します。
「経営」が仕事の取締役はもはや不要で、
「清算」をする清算人が必要だからです。
多くの場合は、取締役がそのまま清算人になったりします。
登記手続き的には、「解散登記と清算人就任登記」を行います。
取締役がいないのですから、当然に「取締役会」もなくなります。
ここで問題になるのが、多くの会社についている
「株式の譲渡制限に関する規定」の承認先の変更の要否です。
承認機関は株主総会なら問題ないのですが、
ここが「取締役会」や「代表取締役」となっていた場合、
変更しなければならないのでしょうか?
旧商法では、解散会社は新株発行が禁止されていましたので、
譲渡制限規定自体が解散とともに無効になると解されていて、
変更登記は不要でした。
ところが会社法では、解散会社も株式の発行ができますので、
譲渡制限先が取締役会や代表取締役だった場合の
株主総会や清算人に変えなくてよいかが問題となってきます。
H19.2の登記研究(業界誌です)の質疑応答で
「変更登記すべし」との回答があり、
我々の業界では、この問題が注目されるようになりました。
その後今夏ごろの法務局HPの解散登記の雛型は、
譲渡制限承認先の変更も含んだ雛型に変わりました。
解散会社にここまでさせるのか、と思っていたら
最近(おそらく8月下旬)法務局HPの雛型が、
また戻ったんですよね!
譲渡制限承認先の変更については、一切触れられていません。
解散に伴う登記の登録免許税は、
解散3万、清算人の就任9千円、清算結了2千円です。
もうなくなる会社だからと登録免許税は安めです。
でも、譲渡制限先を変更するとこれに+3万円払わなければなりません。
ちょっと痛い出費です。
このHPの戻りが、やっぱり変更登記しなくても
よいですよ~ということだといいんですが。
どなたか、本当のところを知っている方が
いらっしゃいましたら教えていただけると幸いです。

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